Saturday, October 12, 2019

ある女子高生の悩み:どうして化学なんか勉強しなければいけないの?ある宗教教師の応答


私は、リストラ食らって以来、心理、宗教、教育の3分野におけるコンサルタントとして、食ってく為にいろんなことしてますが、その一つはカトリックの宗教教理や聖書を子供達に教えることです。でも、ただ宗教を教えるというのではなく、子供達からのいろいろな相談にも乗る羽目になります。臨床宗教の他、メンタルヘルスの臨床カウンセリング心理も私の専門なので別に構わないのですが。。。でも、通常のメンタルヘルスのカウンセリングでは傾聴することが8割で私自身しゃべるのが2割ぐらいなので、この場合は典型的なカウンセリングではありません。話をしているのが私ですから、やはり教えているようなものです。
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アメリカのカトリックの中高生達にカトリックの教理を教えてると、こうした思春期の子供達に接していると必ずありがちなように、彼らの人生相談のようなことまでしなければならないことがよくあります。授業が終わっても、マサ先生、あの~、なんて言われたら、やはり、はい、何やねん?なんて答えてしまいますから。

先日、私の担当である宗教教理のお話を終えてから、高校1年の女の子の相談に乗ってたら、彼女は普段ベビーシッターやてて、子供が好きなので将来は保育士になりたいのにどうして化学なんて勉強しないといけないんですか、って聞かれました。そんなこと、知らんわい!化学のセンセに聞かんかい!って言って、さっさとその場を去ってもよかったんですが。。。(そもそも、何でそんなこと私に聞かなあかんの?)

私はその子に、うん、何でやろね~?それ勉強せんと高校卒業でけえん。高校卒業でけえんかったら念願の保育士にもなれん、学校のセンセに聞いたら多分そう答えるやろね。
せやけど、風変わりな宗教教師である私は、好きであろうが嫌いであろうが、これも何かの縁というよりも、神からの導きやと思いますわ、って答え始める。

塩化水素が塩酸 (厳密には, 塩化水素の水溶液が、塩酸), しかし、硫化水素は硫酸ではない。でも、酸化水素は水や。水素原子2個に一つの酸素原子がくっつく、つまり、酸化すると水になる。せやけど、白衣着て、研究室で一日過ごしながら飯食うような生活でもせん限り、こんなこと知ってて何の役に立つんや?って言いたいんやろ?
彼女は、うん、と言わんばかりの顔つき。

蛇口ひねってちゃんと水が出てきて、その水を安心して飲める生活ができれば水素原子や酸素原子がどうのこうのいったことどうでもええやんか!せやろ?

せやけど、心理学の眼で化学というのを考えると結構おもしろいんやで!

というのは、周期表にあるそれぞれの元素をいろんな人にたとえてみる。人それぞれご先祖様がおってその人なりの家族歴代の歴史があるように、しかも、マタイの福音書の最初やルカの福音書の第3章にあるように、イエスにもちゃんとした先祖との繋がりがあるように、元素ひとつひとつにも原子構造のユニークさによる物理学的個性があり、宇宙創成といわれるビックバンにその歴史は遡ることができる。で、すべての元素のご先祖様は水素とヘリウムや。せやから水素が最初、ヘリウムは2番目なんや。ほら、前にも言ったと思うけど、創世記の第一章をビックバンの話と並行させてみるっこと、覚えてる?これらをごっちゃにすると頭こんがらかってしまうけど、並行させると、”な~るほど”って思うやろ?そして、宗教と科学は対立するものではなく、並行しながらとどのつまりは同じ一つの真理の理解を目指すんやで。そういうふうに考えると、化学は退屈な科目というよりも、なにか奥深いロマンがあり好奇心を掻きたてる面白い科目と化すやんか。

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こうした考えでもって周期表に親しみ、周期表の元素の並び方から分る電子軌道の様子やその軌道上の電子と原子核内の陽子との電荷的バランスなどについて考えることから、化学反応の物理学的からくりである電子の共有云々といった大学レベルの化学へと楽しみながら学ぶことができるんで。しかも、化学の背後にあるこれらの原子物理学的、量子力学的なからくりはすべて創造主である神のメッセージが秘められてるんや。そう考えると化学だけけでなくそれとは切っても切れない縁にある物理学を学ぶ意義もカトリックの教えとの関わりの中でわかってくるので、何でこんな科目勉強せんとあかんのや!、なんていう気がしなくなる。文句ないやろ?

こうして、彼女の年ぐらいのときは医学部目指して化学を含む理系科目を猛勉強していたかつての少年が今では宗教教師として、自分が教えるカトリックの教理のクラスにいる化学に悩む女子高生と話をしているのでありました。

彼女、最初はわかったような、わかっていないような顔してましたが、一言、マサ先生、元素を人と考えてみると面白いですね。じゃ、周期表って皆のグループ写真みたいなもんですか?

で、私は、せや、せや!ええことに気~付くやんか!ほな あんた、化学、わかってるやんか!神様、喜んでますがな~!

彼女、少しや救われたような顔して、笑顔で、ありがとうございました、って言いながら去って言った。やれやれ。。。因みに、私は彼女の化学の成績を保証しません。

こうして、宗教以外のことを宗教と関連させて思春期の子供達と話していると、あたかも芋蔓式にどんどん生徒が集まってくるんです。だから、私は貧乏暇なしに忙しいのです。

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