Saturday, November 12, 2016

“アメリカ教”というカルト洗脳と良心



昨日はアメリカで退役兵の功績を称える記念日でした。あっちこっちで星条旗が高々と揚げられていました。しかし、ちょっと思ったことがあります。

この記念日に国旗を高々と揚げながら称えられている退役兵の中には、戦地や占領地で国際法で硬く禁じられている婦女暴行殺人を犯しても軍法裁判を逃れてのこのこと英雄の仮面をつけてアメリカへ戻ってきた獣もいます。しかし、アメリカという国では、そしてアメリカの一般世論は、このような指摘をする人はまずいません。いたとしても、無視同然でしょう。しかし、アメリカでという国では、誰かがかつての日本の慰安婦がどうのこうだの、南京がどうのこうだの、と言い出すとセンセーショナルな程に厳しい対日感情が、種火の焚き火にガソリンをぶっかけたように、アメリカの世論で燃え上がります。そして、こうして感情的に旧日本軍の“蛮行”を感情的に咎めるアメリカ人達は、自分達のこうした対日発言は“正義”の為だとか、“歴史的過ちを繰り返さない為”だとかいった自己主張を伴っています。そして、今ではアメリカの学校で使われている歴史教科書にこうした旧日本軍の”蛮行“について具体的に記されているのですが、私が知る限り、最低同じ比重でアメリカ軍による似たような蛮行について具体的に書いてあるアメリカの歴史教科書にはまだお目にかかったことはありません。

今は退役兵として英雄扱いされていても、中にはかつて戦地や占領地で慰安婦の世話になった者も沢山います。更に酷いのは、戦地や占領地において女性や子供に暴行したうえ、殺害した者もいます。第二次大戦末期において上陸した沖縄の女性を強姦殺人したアメリカ兵はいなかったでしょうか? 降伏してきた沖縄の女性や子供を保護するアメリカ兵の写真や映像はあたかも正義の国アメリカを世界中にアピールするプロパガンダのように今でも出回っていますが。。。

戦後占領軍として君臨したアメリカ兵への慰安婦となった日本人女性、そして沖縄だけでなく日本各地にある在日米軍基地の周辺で米兵によって強姦、殺人された日本人女性。戦後70年以上経ってもこうした鬼畜同様のアメリカ兵によって犯され殺された日本人女性がいますね。しかし、アメリカ人で暮らす普通のアメリカ人はこうしたことについて知らずに、或いは、知っていても触れることなく敬礼します。それがアメリカではあたりまえなんです。

更に、朝鮮戦争において朝鮮人女性売春婦の世話になった米兵、そして朝鮮人女性を強姦したり犯した後殺害した米兵、ベトナム戦争中においてベトナム人女性に対して同様なことをした米兵、いったい何人いたのでしょうか?湾岸戦争においても慰安婦の世話になった米兵はいないと断言できるでしょうか?コソボ扮装においてサリエボなどで慰安婦の世話になった米兵はいないと証拠をもって言えるでしょうか? アフガニスタンやイラクで婦女暴行、殺人を犯した米兵、人権侵害をしなかった米兵、いないといえるんでしょうか? そんなことあれこれ検証するよりも、アメリカという国では、彼らも皆英雄なんです。アメリカではこうして英雄とされ敬礼される人達の中に戦犯がいてはいけないのです。アメリカという国では、そうでなければならないのです。それがアメリカ建国以来の伝統なのですから。アメリカという国の利益追求のため、建国以来、数え切れない程のアメリカ先住民や隣国メキシコの女性が犯され殺されたか。しかし、そんなことを過去の歴史の闇に葬られなければ正義の国アメリカは誇示できないのですから。そして、アメリカという国土拡張の為に“戦った英雄”の中に含まれるのです。平気で人権に対する罪を犯してきた一部の退役兵も、これと同じアメリカ独特の考え方により、“統計学的に有意に満たない”ので彼らの蛮行は無視され、英雄に含まれ、敬礼を受けるのです。

アメリカの人権団体や平和推進団体、それに女性の権利運動団体にしてもこうした一部の退役兵がやった女性や子供の人権侵害について何も声を上げません。たとえ上げたとしても黙殺されるか、圧力で潰されるだけでしょう。だから、皆一同に誇りあるアメリカ人として敬礼するだけです。アメリカ人というのは、ある意味ではカルトに洗脳された人間のように何か大切なことに完全に盲目的になるんでしょうか。彼らの良心というものの本質について懐疑的になりかねません。

それだけならアメリカの問題だからアメリカの好きなようにすればいい、と切り捨てることもできないわけではないのですが、こうしたアメリカの団体の中には昨年の戦後70周年記念にあたり安倍首相にむけて“もっと謝れ!慰安婦は政府がやったことを潔く認めろ!”といった公開書簡を世界中のマスコミに配信しまし、各国からの有識人達の賛同署名を付けていました。中には“女性の権利保護運動家”、“世界平和推進運動家”などと称する日本人もこの公開書簡に署名して日本政府への謝罪を戦後70周年記念の節目だからやれ、と言っていました。日本政府は既にかつての戦争のおいて旧日本軍が交戦、占領した地域の女性の権利が侵害されたことを公式に謝罪し、アジア女性基金という償いを行っているのですが、連中に言わせれば、そんなのは謝罪にならないとでもいう態度です。このような論調は、どうも連中が自称するような女性や平和の為の運動の趣旨から外れ、寧ろ、ある特定の政治的利害が絡んだ偽善的運動思えざるを得ない所があります。そもそも、私が知る限り、アメリカ政府が公式にかつての交戦国や占領国に対し、アメリカ兵が犯した婦女暴行などの女性の人権を蹂躙した蛮行を認め謝罪、補償した例はあるでしょうか? 

しかし、こうした在米日本人の運動家達、アメリカ兵による女性権利侵害や戦争犯罪人とされる婦女暴行殺人行為についてうんともすんとも言いません。こうした連中、ただの偽善者ですね。連中が本当に平和や女性の権利を保障する為の運動をしているならば、アメリカであれ日本であれ、退役兵の栄誉を称えようなんていう前に改めて彼らの一部が犯した人権や平和への罪という戦争犯罪について反省し、謝罪しましょう、ってニューヨークタイムズなどに寄稿すべきなんですが。。。私の30年近いアメリカ生活において今までにそのようなことをしている運動家や団体は一度も見たこと聞いたことはありません。日本に対する文句であれば数え切れないほど連中は発信していますけどね。偏見に満ちたただの偽善者でしかなく、真の意味での平和運動や女性の権利保障運動というのは名目であってただの盲目的アメリカ追従反日運動家でしかないような感じが否めません。こうした在米日本人の運動家もアメリカというカルトに洗脳され自分達の偏った良心の問題に対して盲目なんでしょう。そして、日本の女性もアメリカ兵の蛮行を受けているにもかかわらずこうした日本人の平和運動家や女性権利運動家は、日本政府へ更なる謝罪と補償をアメリカの同類の運動家同様に要求しても、アメリカ政府に対して何も言いません、というか、自分達の偽善、欺瞞と臆病さ、あるは、ただ自分達の偏見に無知だから言えないのでしょうか?

一方、日本ではまだ生存している旧日本軍退役兵の功績を称えよう、ということを提唱すれば、靖国問題同様に炎上し、“お前は軍国主義者か”、”慰安婦として苦しんだアジアの女性の苦しみを無視する非道なやつなのか!“、などと文句言われるだけですが。。。そして、国旗掲揚して君が代を皆で歌おう、といえば国粋主義者だ!といわれたり。。。“白塗り歴史修正主義者だ、というレッテルを貼られたり。。。そして、退官した自衛官達の功績を称えようなんていう国会議員すらあまりいないようですね。

ベトナム戦争末期や直後、“お前はいったい何人の‘肌の黄色い女と子供を殺したの?’と帰還兵を揶揄した時期を除き、戦争犯罪人を無視しても退役兵をただ無批判に称えることが当たり前のアメリカと、戦争は悪でありかつての軍は慰安婦ビジネスを“経営”し、兵の中には婦女暴行殺人を行ったのがいるから国を挙げて退役兵の栄誉を称えるようなことをしようとするだけで批判させる日本、一般的国民の考え方や世論が鮮明に違いますね。

こうした問題を文化人類学的、文化心理学的な観点から検証できる人ってあまりいませんね。そんなことしようとすると、日米両国の偏った“良心”を持つ偽善者達から叩かれますから。しかし、心理学を含めた行動科学や社会科学はこうしたタブーのような現実に科学的なメスを入れなければ本当の意味での正しい歴史認識とそれに基付く平和への努力はできないのではないでしょうか?

私は心理の専門、臨床家だからでしょうか、こうした現象に対し人間の心の奥、潜在意識に潜む何か恐ろしいもの、洗脳のよるマインドコントロールの恐ろしさ、人間の愚かさとそれに気付けないさらなる愚かさなどを感じます。皆さんはどうでしょうか?

在米日本人で同じように思った人は何人いるのでしょうか?在米日本人とはいえ、というか元在米日本人といったほうがふさわしい、アメリカ人と結婚して日本国籍を破棄しアメリカ国籍に乗り換え、誇りあるアメリカ人として振舞う外見と訛りのある英語だけが日本人同様の人もいますが、こうした自分の意思で日本人のアイデンティティーを捨ててアメリカ人になった人はどうなのでしょうか?

人の振りみてわが振りなおせ、ということわざがありますが、私達は今、アメリカのこうした問題を反面教師として活かして、心理学的な側面からも、洗脳や偏見といったテーマに重点をあてて、歴史を再検証する必要があるのではないでしょうか?

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