Wednesday, March 25, 2015

武装平和の選択において留意すべき問題点:少子高齢化と核武装への誘惑

先の私のブログ記事(非武装平和なのか?、武装平和なのか?:歴史を踏まえて日本の安全保障と分断的イデオロギー戦争を考える  - March 23, 2015) について、少子高齢化問題の最前線の現状を誰よりも知られている方から、日本が武装平和という選択をする場合にこの問題が与える影響についてご指摘いただきました。日本の軍備のアキレス腱ともなり得ないようなことを突いた質問故、この記事でもってお答えしたいと思います。

武装平和の選択となると、やはり、充分な兵力が不可欠です。いくら徳川家康が天下を取った時はすでにおっさんだったとはいえ、やはり、日本には若い兵力がもっと必要です。ご隠居中のじいさん、ばあさん引っ張り出して訓練しても、それは国防上、いい税金の使い方ではありませんし。。。。また、少子高齢化は日本の生産経済力と国内消費需要にも影響します。

勿論、国際紛争の解決の第一手段は外交によるものですが、国際政治学の常識にあるように、外交で有利に交渉するには二つのカードが不可欠です。一つは経済力、そして、もう一つは軍事力です。しかも、外交においての最後の切り札はやはり軍事力なのです。人類の歴史を振り返れば、この国際政治学の常識は例外がありません。強大な軍事力という切り札を持つ国は、不戦勝という形で”落とし前”をつけることが多いのです。

ただ、相手を威圧しその戦意や敵意を戦わずして挫くことができるような強い軍隊を持つということは、別にその規模だけに限らず、寧ろ、質によるところがより重要です。特に、少子高齢化により、若い力強い兵力を大量に確保することが容易ではない現在の日本にとっては尚一層のことです。だからといって、外国人の傭兵で補うことはかえって日本の安全保障上マイナスとなるでしょう。このことは、かつて世界強大であったローマ帝国の衰退の理由の一つにあります。ローマ帝国は大きくなりすぎて、さまざまな国をその支配下におき、当然、外国人を統治しなければならず、植民地から徴兵した兵士により確かに数は確保できても、彼らの士気などには問題がありました。このことは、日本が過去に当時の植民地から徴兵した朝鮮人兵士の問題などからもわかると思います。因みに、ローマ帝国崩壊の他の理由の一つは、Juvenalという古代ローマの賢人が警鐘を鳴らしたしたように、強大となり平和と繁栄を享受する中、福祉国家となり、国民の勤労的精神が堕落してしまったという内面的な崩壊があります。平和ボケして、少子高齢化による充分な兵士確保が容易ではく、しかも左右からのイデオロギーによる綱引きのような分割合戦の中にある戦後日本、こうしたローマ帝国の歴史的教訓を肝に銘じておくべきです。

ちょっと荒っぽい比喩で言えば、外交であれ、商用であれ、交戦することなしに交渉を有利にすすめるには、銀行マンとや~さんを連れて、金と武力で相手が文句言い難いように威圧することです。黒舟が来た時、傲慢無礼極まりないアメリカを武力によって追い返してやろうと考えるのは一握りの常識知らずの過激派だけでした。あのようなでかい大砲抱えた黒い鉄の軍艦で威圧された幕府はびびって不平等条約にサインしてしまいました。アメリカはそれまでに、当時まだスペインから独立して新しいメキシコからこうした威圧によりむさぼるように領土を略奪し(アメリカの歴史ではメキシコが”割譲”してくれた、と教えてますが)、メキシコがアメリカの威圧に対して素直に領土をくれなければ、すぐにドンパチにより、力ずくで奪いとりました。そうやって、アメリカは西部へ西部へと拡張していき、ついにかつてスペイン、そしてメキシコだった、カリフォルニアの広大な領土を手に入れ、それでもまだ飽き足りず、あの黒舟で太平洋をはるばる越えて日本へやってきたや~さんなのです。

拳銃持ったや~さんに絡まれ、金と乗っているそのいい車よこせ!って言われたら、あなたはどうしますか? そして、このや~さん、金もあるので、いくら警察や法でこの揉め事を解決しようと考えても、そういったものすべて金で握りつぶしますから、それこそ、Good Luck!ですよね。 

黒舟によりアメリカに震え上がらされた幕府、しぶしぶアメリカとの不平等条約にサインしたものの、このままじゃいかんと警戒心をやっと抱き始め、品川沖の埋立地に大砲(今のお台場)を作りました。こうして幕府が近代的国防の必要性にうすうす目覚め始め、攘夷運動が起こりつつある中、勝海舟はいち早く長崎の出島でオランダから西洋の近代海軍術を学び、神戸に日本で始めての海軍教練所を創立し、弟子、坂本龍馬を、初代校長に任命し、近代日本の武装平和の実現の布石を打ちました。勝海舟はこうした意味では、日本海軍の父であり、勝海舟なしには坂本龍馬どころか、英国海軍士官学校にまで留学した東郷平八郎元帥もなかったことでしょう。しかし、いくら日本の近代的武装化をいち早く実践せしめたはいえ、勝海舟は戦を好む武士ではなく、倒幕後、明治政府による富国強兵政策が進み、そのあり方に批判的となりました。勝海舟は武士道を心得た武士ですから、黒舟によって植え付けられた西洋列強に対するトラウマ的劣等感による心理的反応ともいうような明治政府の軍備拡張政策を好まなかったのです。それを理解していたのは、初代陸軍大臣だった西郷隆盛でもあり、だから西郷隆盛もこうした明治政府の西洋の真似事に奔走するありかたに失望したのです。

まあ、とにかく、日本はアメリカから好きなままに搾り取られ、それこそ、このままでは、いずれ、ハワイやプエルトリコ、それに、フィリピンのようになってしまうのではないか、といったような懸念もあったことでしょう。だからといって、アメリカに真っ向から戦って追い払った国はありませんでしたし。ハワイの人も、プエルトリコの人も、フィリピンの人も、皆、自分で粗末ながら武器を取り、アメリカの侵略を防ごうと血を流して抵抗した末、すべて取られたのですから。

しかし、当時の日本は、こうしたアメリカからの脅威よりも、満州北部をアイグン条約で当時の清帝国から分捕ったロシアの南下でした。それには、朝鮮を清から独立させ、日本の同盟国にすることが先決だと当時の明治政府はにらみ、日清戦争へ。そして、日清戦争における日本の勝利が自分達の満州侵略計画にとって目ざわり以上のものだったロシアは、三国干渉をして、遼東半島の権益を日本から奪い取り、その南下侵略政策の牙を明らかにしました。それで、日本は苦渋の決断の末、こうしたロシアからの脅威に備える為、当時、ロシア軍に比べまったく兵士の数や軍艦の数では圧倒的に小規模な軍隊でしかないにもかかわらず、日本は日露戦争に踏み切ったのです。

当時、西洋列強の殆どは、これで東洋のちっぽけな新生近代国家、日本、もこれでおしまいだと思っていたかもしれませんが、イギリスだけは別でした。というのは、当時のイギリスはその、東インド会社や香港島や上海の租借地などを含めた東洋植民地権益がロシアの南下により脅かされると懸念しており、日本がロシアと戦うことでロシアからの脅威が軽減するとにらみ、日英同盟を結び、日露戦争のおいて日本の見えない後ろ盾となりました。イギリスは日本側へ多大な融資をし、また、三笠などの高性能軍艦もイギリス製でした。そして、日本は奇跡的ともいわれるような形で、少ない兵力と軍艦数にも拘らず、ロシアに勝利したのです。

これでアメリカも日本をなめるようなことをせず、やっと日本はアメリカと交戦せずに、黒舟により押し付けられた植民地支配の予行演習のような不平等条約の改正へと到達できたのです。だから、やはり、軍事力がいかに外交による戦わずしての問題解決に威力を発揮するかがお分かりでしょう。

関税自主権と治外法権などについて、本当の主権国と見なされるまでには、日露戦争でロシアという列強を破るまでの長い時間ととてつもない労力を要しました。でも、軍事力による外交での威圧をやりすぎると、相手は、あたかも、窮した鼠が猫に噛み付くようなこともありますから。実際、ハルノートに対する日本の真珠湾攻撃がまさにそのいい例ですからね。日本、日本経済の生命線とも言われていた満州をあきらめるのがいやだったんでハルノートという圧力に屈することができず、山本五十六の猛反対にも拘らず、その山本元帥の指揮により真珠湾を攻撃することで風穴を開けようとしたんですが。。。。結局、執着してた満州、失う結果となりましたよね。

要は、戦争ではなく外交による国際紛争の解決、と誰でも主張しますが、それ自体がいかに困難複雑極まりないものかどれだけの人が理解しているのでしょうか?歴史学、地政学、だけでなく文化人類学や社会心理学など研究成果をも取り入れた国際政治学による冷静な議論ではなく、単なる感情的イデオロギーの水掛合戦で平和、平和、と言っている人、こうしたことを知らないんでしょうか。国際紛争を戦争を避けることで解決するっていうのは、本当に難しいってことを痛いほど認識しておかないと、また、過去と同じパターンの失敗をします。ただ、戦争をしちゃいかん、日本は悪い国だった、と教え込むような”平和”教育、まったく意味がありません。

はっきりいって、資源や食料に窮し、また、そうなるのではないかという不安は、どこの国でも戦争へと導きます。人間誰でも、不安が募り、そのレベルがあるキャパを超え、ストレスが高まり続ければ、良心を狂わし、獣のような行動に走ります。これは、社会心理学の常識です。このことについてスタンフォード大のPhilipp Zimbardo博士の研究が有名です。

一番恐ろしいのは、民衆のこうした不安や不満をうまく扇動して、国を戦争へと導く指導者の歪んだ心理です。ヒットラーがその典型的な例です。また、戦後、戦時中の辛い経験からの痛々しい感情をうまく利用して反政府的に説得、洗脳していくイデオロギーも恐ろしいものであり、また、その反作用として現れる全体主義的なイデオロギーも危ないものです。

とにかく、イデオロギーだけの、心理学の原理を無視したり、悪用した、人間の心の弱点を見てみぬふりするような、あるいは、それに漬け込んだ平和教育はかえってそのイデオロギーから相容れられない人達に対して排他的となるばかりか、敵対的となり、外敵が攻めてくるはるか以前に国を分断してしまいます。そして、同じ国民、民族であってもこうしたイデオロギーの対立から内戦状態となり、それに便乗して外国軍も火に油を注ぐように加担してきます。朝鮮戦争やベトナム戦争がそのいい例でしょう。間違った平和教育がかえってこうした争いの火種となるってこと、社会心理学を心得ていればわかりますけど。。。。

かなり、少子高齢化と武装平和についてのテーマから脱線(得意なんです)しましたが、兵力の少なさは、軍事技術のレベルの高さと兵の質でかなりカバーできるのではないでしょうか?

やはり、そのいい例が日露戦争でしょう。兵力数や軍艦数では、日本は到底勝つ見込みはありませんでした。でも、器は小さくても、中身の質の良さで、独活の大木、ロシア軍を破ったのです。まあ、これには、日英同盟なしにはありえなかったということも認識しておかねばなりませんが。。つまり、少子高齢化の困難にあっても強い軍隊を維持するには、どこの国よりも優れた軍事技術を持ち、世界最高の軍紀と士気を持つ兵を持つことです。数よりも質。そして、かつて、日英同盟というバックボーンによりロシアを破ったように、今では日米同盟が必要なんです。そして、ASEAN諸国との綿密な連携、そして、2年前からより確かとなったオーストラリアとの軍事同盟も重要です。こうすることで、厄介な隣国からの日本だけでなく他のアジア太平洋諸国への侵略を牽制できますから。

核武装による平和は可能か?と言うご質問も頂きました。

日本は世界唯一の被爆国であり、しかも、原発事故の恐ろしさの中にある国ですから、核をたず、非核軍事技術において世界1となるべきですね。

日本は世界に冠たる非核武装平和国となるべきでしょう。核保有国は核兵器を保有することで自分達を安心させようとしていますが、これは心理学的にいえば、心の奥深くにあるナルシシスト的な普遍的不安によるものです。だから、核兵器を保有することで得られる妄想の安心と平和でこの不安をごまかしているだけです。

アメリカを始め、核保有国すべては、冷戦時代以来、今でも、核の下による妄想の安心への財政的なつけだけでなく、精神的なつけも払い続けています。こうした妄想が創り出す嘘の安心感は、依存症的な性質があり、こうした安心感を持続させる為に、核兵器に対し依存症的になってしまうのです。日本はいくら日米同盟によりアメリカの核の傘下にあるとはいえ、その惨禍に吸い込まれるようなことがなってはならないのです。

核の恐ろしさ誰よりも知っている日本は、こうした妄想に陥ってはいけません。核を持たなくても、核兵器を凌ぐ、核兵器は無意味だと世界に知らしめるような、違ったパラダイムによる軍事技術でもって武装しなければなりません。

核武装による妄想の平和がいかに愚かなことをを世界に知らしめる為にも、日本は非核武装による平和において世界の最先端をいくことができるのではないでしょうか?それは、世界唯一の被爆国でもあるという歴史があるからです。

現に、非核、非原子力潜水艦においては、日本は世界トップクラスです。だから、オーストラリア軍は日本の非核潜水艦のレベルが原子力潜水艦に頼りがちな米軍よりも優れていると見込み日本との軍事同盟を結んだのでしょう。オーストラリアもニュージーランドと並び核アレルギーの国ですから、核兵器は勿論、原子力潜水艦は保有したくないのです。
やはり、日本こそが核兵器迎撃ミサイル(現在のイージス艦のレベルでもかなり賄えるのかな?)だけでなく、特殊な電磁波によりどんなにでかい核兵器でもそれを発射した所へ送り返す軍事技術を開発すれば、世界最強の核兵器の威力を無力にできる非核武装ができますから。これにより、日本を攻撃しようとする敵国は、日本の領土や領海から離れた所において自分で自分の墓穴を掘ってくれます。そうなれば、よほど気違いでもない限り、日本へ核をお見舞いしようと思う国ないでしょう。そうなれば、こっちから敵を攻撃しなくても、敵が日本を攻撃しようとすればする程、自分を痛めつけるという面白い結果になるんです。

日本には日本特有の国家軍事機密の電磁波要塞を持つことができれば、それこそ、どの国からもそれに穴を開けるられることがないので、日本の砦はinvincible。目に見えない電磁波のFire Wallです。相手の力を跳ね返すことで相手を倒すという、格闘技の精神と似ていませんか?それが、本当の意味での非核武装による平和ではないでしょうか?

そうであれば、依存症的な核に頼らず、超ハイレベルの秘密非核軍事テクノロジーと最高の軍紀による少数精鋭の軍隊により日本の安全保障ができるのではないでしょうか?そして、何よりも勝海舟や西郷隆盛のような本当の武士道精神をもったリーダーが、文官、武官、双方において必要です。


その為にも、理数教育や士官養成教育に今まで以上に力を入れねばいけませんね。

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